俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
帰宅できず途方に暮れていたあの日、同棲を提案してくれた彼には深く感謝していた。

ブースを出てテーブル間の通路を自席に向けて歩いていると、ミーティング室から戻ってきたところの木村と鉢合わせた。

「木村さん、今お時間ありますか? NCPグループとの打ち合わせが終わったので情報を共有させてください」

「はい、大丈夫です。僕からもあるのでよろしくお願いします。そっちに移動しましょうか」

木村がリーダーを務めている別件も同時進行しているので、打ち合わせ時間がどうしても被ってしまうこともある。そういう時はこうして後から情報共有していた。

誰も使っていないテーブルに移動して五分ほど話した。

「木村さんにはこのファイルの検証をお願いします」

「わかりました。宮内さん、今日は笑顔ですね」

「え?」

「山田さんたちホッとしたでしょうね。前回の打ち合わせでは宮内さん、怖かったから。即契約を切りそうな顔でした。あ、もちろん頭痛に耐えていたのはわかっています。特に牧本さんは二回しか宮内さんと話していませんし、雰囲気の違いに驚いていませんでした?」

(もう慣れたけど、木村さんって返事に困ることを平気で聞ける才能があるよね)

苦笑して木村に答える。

「指摘はされなかったけど驚いていたかもしれませんね。よく効く頭痛薬は購入済みなので、次も笑顔でいけると思います」

(たぶんね)

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