俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「そうだな。俺が寂しくて誘ってしまったんだが、我慢するか」

サラッと言って「ごちそうさま」と彼がナイフとフォークを置いた。

(将吾も寂しいと思ってくれるんだ)

静かに驚いて、胸がじわじわと温かくなる。必要とされているのが実感できたからだ。

(嬉しい……)

「どうした?」

「あっ、ううん。帰国は日曜ね。土曜はいないということは――ちょっと待ってて」

寝室として借りている広めの洋間から、金色のハートがひとつ描かれた藍色の紙袋を持ってきた。

「これ、受け取って。バレンタインチョコなんだけど、その日は出張中だから先に渡しておくね」

すまし顔で差し出したが、鼓動は正直に高まっている。

自分で食べることになるだろうと半分諦めの気持ちで買ったチョコレートなので、渡せたのが嬉しい。

「ありがとう」

口角を上げた黒見が紙袋を早速開けている。

「ワインも買ってくれたのか」

「セットで売ってたの。将吾には物足りない味かもしれないけど、チョコだけよりいいと思って。ビターチョコとその赤ワインの相性がいいと書いてあったよ」

「へぇ、興味をそそるな。今から一緒に飲まないか?」

「どうしよう。明日も仕事だから……」

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