俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
このワインはボルドー産の渋みのあるフルボディで、チェリーとナッツのような風味を感じるらしい。ビターチョコに合わせるとチェリーチョコ、ナッツチョコの味わいがほのかにすると説明してくれた。

「そうなんだ。つまりそれは、美味しく飲めているということでいいの?」

ワイン好きな彼は普段から高級ワインを飲み慣れているだろうから、このワインでは満足できないかもしれない。

押しつけのプレゼントになってしまっていたら申し訳ないと思い聞いたのだが、彼がもうひと口ワインを飲んで微笑んだ。

「ああ、最高の味だ。俺の好みを考えて選んでくれたのが嬉しい。少し前まではバレンタインチョコをもらえると思えなかったからな。今、こうしているのが奇跡的に感じる」

胸が温かくなる。梨乃もカクテルを味わいながら、心を激しく揺らしたここひと月ほどを振り返っていた。

「私もあなたにチョコをあげられると思っていなかった。一緒に住んでいるのはもっと予想外。本当に奇跡みたい。そういう意味では元彼に感謝できるかも」

復縁要請については迷惑でしかないけれど。

今日のウェブ会議後の勇大の必死さを思い出していると、黒見の顔が険しくなった。

「牧本からのその後のアクションは?」

「えっ? な、ないよ。ウェブ会議があったけど向こうは上司と一緒だし、なにもできないから。もちろんブロックも解除してない」

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