俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
肩にかけた通勤用のバッグを椅子に戻し、ホッとしている彼に冷めた声で言う。

「オレンジジュース頼んでおいて。それ飲み終えたら本当に帰るから」

(最初からこんなふうに時間制限つけておけばよかった)

店外の通路奥にあるお手洗いに行って戻ってくると、オレンジジュースがすでに置かれていた。勇大も二杯目のグラスビールを頼んだようだ。

「お待たせ。ジュースありがとう。これ飲んだら帰らせてもらう。それだけは約束して」

「わかった」

決意したような顔で頷いた彼を見て、やっと諦める気になったかと期待した。

けれどもその直後に「ブロック解除して」と言われて落胆した。

「梨乃とこれで終わりになんてできない」

「私の中ではとっくに終わってるの。それだけのことをしたんだってわかってよ」

「人間だから誰だって失敗する時がある。反省して次に生かせばいい。前に梨乃がそう言ってくれただろ?」

覚えていないが、仕事でミスして落ち込んでいた彼を励ましたことはあった。

「浮気した上での婚約破棄だよ。失敗なんてやさしい言葉にすり替えないで。全然反省してないじゃない」

「してる。二度と他の女にうつつを抜かさない。心配なら俺の携帯をいつでも見ていいし、女がいる飲み会にはいかないと約束する」

「復縁しないって言ってるでしょ。私にはもう好きな人がいるの」

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