俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
半分引きずられるように外へ出ると、冷たい夜風を感じた。

するといくらか頭が回り出し、隣の男性が誰なのかを思い出した。

「どこに……」

「俺の家。今日、危険日だろ? 梨乃を取り戻すにはこれしかないんだ。本当にごめん。絶対に幸せにするから許してくれ」

(危険日って、まさか……)

梨乃の生理周期は規則的で狂ったことがない。勇大と交際中、今日は危険日だからダメだと誘いを断ったことが何度かあった。どうやら妊娠の確立が高い日を覚えていたようだ。

(妊娠させて、結婚しようというの?)

「やめて、離して……」

精一杯抵抗したつもりだが一撃も与えられず、逆に勇大の腕の力を強めただけだった。

「あのタクシーだ」

「将吾……」

(助けて!)

心の中で黒見を呼んだ。遠い海の向こうにいる彼に届くはずはないのに、なぜか助けてくれると期待した。その時――。

「梨乃を離せ!」

誰かが駆け寄る足音がしたと思ったら、黒見の声がした。

体に黒いコートの腕が回され、奪うように横抱きにされた。

めまいで揺れる視界に映るのは、黒見の険しい顔だ。

(やっぱり来てくれたんだ!)

「なにを飲まされた?」

「ジン……」

「病院に行こう」

黒見にも以前ジンだけは飲めない話をしていたので心配してくれたが、病院にいくほどではないと首を横に振った。

「大丈夫。治まってきたから。ありがとう……」

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