俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
絶頂に達しそうになると急に減速してなかなか高みに上らせてくれず、それを繰り返されて『もう許して!』と叫んだ記憶がある。

(将吾に憧れる女性は多いけど、うまく付き合えるのは私だけだよ。絶対に)

対等だという意識を持ち意思をはっきりと伝えられる性格でないとパートナーにはなれないだろう。一年半ほどの交際でそれをひしひしと感じていた。

心地よい揺れがまた激しくなり彼も高みに上れたようだ。

温もりが離れていき終わったと思ったのだが、「二回戦」と耳元で囁かれて跳ね起きた。

「今夜はダメ。明日はイベントだからもう寝ないと」

頷くまでに二秒ほどの間があったのはなぜだろうか。

「そうだな。寝よう」

誘いを断ったくらいで不機嫌になるような人ではないのに、返事もベッドに横になる仕草もやけにアッサリとしていた。

(いつもと違う)

目を閉じた彼の腕に触れて問いかける。

「なにかあったの?」

「別に。寝るぞ」

さらには背中を向けられて、やはり言いにくい事情があるのだと察した。

「なにか困ってるんでしょ? 一緒に暮らしているんだから、そのくらいわかるよ。教えて」

頭脳も体力も対応力もなにもかもと言っていいほど黒見の方が上だが、支えられるだけの関係は望まない。悩んでいるなら一緒に考えたいと思っていた。

「将吾」

強めに呼びかけると、彼が嘆息してベッドに身を起こす。

< 234 / 238 >

この作品をシェア

pagetop