俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「私に教えられないこと? 仕事上の機密?」

「詳細は言えないが。前から狙っていた海外の保険会社が合併先を探しているという情報が入った。合併ではなく吸収したいと思ってる。狙っているのは俺だけじゃないだろう。早めに向こうのCEOに接触したいとチャンスを待っていた。それが明後日なんだ」

黒見が好きそうなハンティングだ。それのどこに困っているのかと首を傾げ、ハッと気づく。

「明日のイベントに行けないということね?」

一年八か月ほどかけて準備してきた大きな仕事だ。その成果を黒見に見てもらうのが楽しみだった。

前例のないイベントでもあるのでなにが起きるかわからない不安もあり、彼が現場にいてくれたら心強い。

黒見も必ず行くと約束してくれていたのだがそれができなくなり、梨乃にどう伝えようかと考えていたのだろう。そのように彼の心情を読んだが否定された。

「イベントには行く。終了後に向こうに飛んで、接触の機会を探す」

梨乃との約束を優先しようとしている理由に、パートナーだからという感情が含まれている気がして眉根を寄せた。

(将吾の足を引っ張りたくない)

ベッドに正座して、彼の頬を両手でパチンと挟んだ。

「おい」

「私はそんなの望んでないから。明日の飛行機、早く予約して」

「チケットはたぶん五ノ森が勝手に取っていると思うが……俺がいないとお前が不安だろ」

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