俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
梨乃のノートパソコンの画面には、宇津木に破棄を命じられたデータが表示されている。

(最終的な数値が二パーセントもずれてしまう。信頼度が高いのはこっちでしょ)

ウェブ広告の閲覧回数、SNSのシェア回数、高評価の数などと、保険の診断ツールへ誘導し入力してもらえた回数を合わせた計算である。

それに自社のウェブサイトを閲覧してもらえた回数を加えて出した割合が二パーセントずれると、〝まぁまぁ伸びている〟ではなく〝あまり伸びていない〟という見解になってしまう。

そうなると現状維持ではなく、広告の変更や検索エンジンを上げるなどの対策が必要になるのだ。

ミーティングが終わろうとしている雰囲気の中で梨乃は迷っていた。

(気づいているのは私だけのようだから、私が言うべきだよね。でも、宇津木さんとの関係がさらに悪化しそうで怖い)

スルーして自分を守るか、それとも睨まれても意見するのか。自分の中で天秤にかけた結果、後者を選んだ。

(間違った方へ進めていいわけがない。私はマーケターとして入社したんだから)

「では早いですが今日はここまでで、また来月に」

宇津木が締めようとしているのを遮った。

「すみません、ちょっといいですか。結論が出てからで申し訳ないのですが――」

その時、ミーティング室のドアがノックもなく開けられた。

黒見の顔を見て梨乃は目を丸くした。

(えっ、どうして?)
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