俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
彼はなにも言わず、さも当然のような顔をして富樫の隣の空席に腰を下ろしている。
梨乃以外の人は誰も驚いていないのを見て理解する。ひとつ椅子が余っていたのは、最初から黒見のために用意された席だったのだと。
思い返せばこれまで出席したいくつかのミーティングでもいつも空席があった。
ということは黒見は時間がある時に、あちこちのミーティングや会議に突然参加しているのだろう。
ただの部署内のチームミーティングにまで参加するCEOがいるとは驚きだ。
(前の会社の社長は大きな会議だけだったのに、そういうトップもいるんだ)
自分の考えを末端にまで伝えたいということなのか。梨乃にわけがわからない迫り方をする人なのに、堅実な面もあるのだと意外に思っていた。
スクリーンを見ていた黒見の視線が梨乃に向いて心臓が跳ねた。それと同時に富樫に声をかけられる。
「宮内さん、続けて」
「あっ、はい。すみません」
ちょうど梨乃が発言してところだったので待たれていたようだ。
どうしても黒見を意識してしまうのでやりにくさを感じつつも、続きを説明する。
「新しい他の計算分析ソフトを使うと、割合が二パーセント変わってくるんです。そうなると伸びているとは言えません。修正が必要かと思います」
すぐに宇津木に厳しい声で止められる。