俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
(と、とにかくまだミーティング中だし、もとの話し合いに戻そう。終わるまで私は貝になる。これ以上、宇津木さんの気持ちを逆撫でしないように)

そう思っていたのに、離れた席を立った木村が駆け寄ってきた。その顔は興奮気味に紅潮している。

「おめでとうございます。見事なプレゼンで聞きほれました。さすが宮内さんです。黒見CEOに見初められるのもよくわかります!」

(見初め……? 言葉のチョイスがおかしいよ)

「木村さん、あの――」

「僕も宮内さんのプロジェクトに入りたいです。富樫マネージャー、お願いします」

「そうなると木村くんと宮内さんは三つも同じチームになる。バランスを考えないといけない」

「それなら僕は宇津木さんのチームを抜けます。黒見CEOのお墨付きでもある宮内さんのプロジェクトの方がやりがいありそうです。古いものより新しいものに挑戦させてください」

怖すぎて左隣を見られないが、ボールペンの二本目がミシミシと音を立てている。

(木村さん、弟みたいに慕ってくれて可愛いけど、お願いだから今は黙って)

背中に冷や汗が流れるのを感じつつ、梨乃は自分のノートパソコンとプロジェクターの接続を解除した。



* * *



ここは黒見の執務室だ。

黒見が梨乃とランチミーティングを始めたのは十分ほど前で、六人掛けのテーブルにふたりきりで向かい合って座っている。

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