俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「いえ、私が習っています。強い女性に憧れて始めて三年目になります」

思わず梨乃の体つきを見た。

オフィススーツは薄い茶系のパンツタイプのツーピースで、中に着ているのはシンプルな襟のない白いブラウスだ。

服の上からだとわかりにくいが、細身なので筋力があるようには感じなかった。

「鍛えているようには見えないが」

正直な感想を述べると、優しいカーブを描いている彼女の眉根が少し寄った。

「試合はしませんけど、スパーリングはやっています。結構強いですよ。格闘技経験のない男性と闘ったら勝てるかもしれません」

黒見に格闘技の経験はないので、自分に対して言われたような気分になり試してみたくなった。

「それならやってみよう」と席を立ち、ジャケットを脱いで椅子の背もたれにかけた。

「えっ、ここでですか? 防具もなしで怪我しますよ」

「俺は受けるだけで攻撃しないから心配するな」

「それはつまり、私の拳と蹴りは黒見CEOに少しのダメージも与えないという予測ですか?」

返事の代わりにニッと笑って見せると、梨乃がムッとしたような顔で立ち上がった。

負けん気に火がつき闘う気になったようだ。

テーブルと執務机との間のなにもないスペースで向かい合う。構えを取る仕草は一応、様になっていた。

「いきますよ。ちゃんと避けてくださいね」

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