俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
思い出すとまた勝手に鼓動が高まり、心なしか顔まで熱くなる。

美波に心情を気づかれそうでヒヤヒヤしていたが、まさかCEOと恋愛関係になるとは思わないようで「わかってるよ」と笑って言ってくれた。

「よかった。恋愛ネタの噂は勘弁だよ。ところで情報源の市原さんって――」

彼の執務室に二回呼ばれているのをどうやって知ったのか気になったのだが、美波にスルーされる。

「心配してるのは宇津木さんだよ。嫌がらせされてない?」

さらに嫌われている気はしている。挨拶しただけで睨まれるし、こちらが気にしているせいかもしれないがピリピリとした空気を感じて部署内での居心地が悪かった。

けれどもその程度で実害はない。そう思った時、緑茶のペットボトルが頭に浮かんだ。

(もしかしてあれは、宇津木さんのしわざ?)

部署内の隅に社員共用の冷蔵庫と電子レンジ、お金を払って使用するコーヒーマシンが置いてある。

キャップに名前を書いて冷蔵庫に入れておいたはずの梨乃の緑茶が昨日、棚の上に出されていたのだ。

誰かが奥の飲み物を取ろうとして一旦取り出し、入れ忘れたのだろうと思っていたのだが、美波に心配されて宇津木の顔が浮かんでしまった。

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