俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
接待が必要な社外の相手を連れてくるなら経費で部屋を確保するのもアリだと思うが、それだと梨乃とふたりでの食事でここを使ってはいけないだろう。

そういう心配をしたのだが、彼の視線がメニューから梨乃に向いて軽く笑われた。

「真面目だな。安心しろ。経費ではなく俺が個人的に支払っている」

(よかった)

「だから仕事でもプライベートでも俺が気に入った相手しか連れてこない」

(あれ、よくない?)

気持ちを探ろうとしているような目を向けられて動揺し、鼓動が二割増しで高まる。

あまり思わせぶりなことを言わないでほしい。

現時点でその気は少しもないけれど、そろそろ次の恋がしたいと思うようになったら黒見を意識してしまうかもしれない。

その時に彼がまだ梨乃を求めているかどうかは未知数だ。

(どうせ気まぐれでしょ?)

そう思うのも交際を断り続けている理由のひとつかもしれない。

身の丈に合った男性と恋をする方が安心できる。平凡な自分が言うのはおこがましいが、ハイスペックでイケメンの黒見は梨乃の恋人として不合格だった。

「ワインは飲めるか?」

「いただきます。ジン以外ならなんでも飲めます」

二十歳の時にジンベースのカクテルを飲んで具合が悪くなったことがある。

体質的に相性が悪いようで、それ以来避けていた。

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