俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
ほんの少しだが距離が近づいた感覚を味わった直後にハッとして、自分に注意を入れる。

(仲良くなってどうするのよ。CEOと末端社員。平穏なビジネスライフを送るためには近づかないようにしないと)

「出張のお打ち合わせをお願いします」

真面目な雰囲気に戻すと、彼の貴重な笑顔も楽しげな雰囲気も消えてしまった。

それを残念に思い、自分のその気持ちに首を傾げる。

(矛盾してる? そこまでではないか。笑ってほしいのと距離感を保ちたいのは、反対ではないし)

なんとなく自分の気持ちを深堀してはいけない気がして、出張の説明に耳を傾けた。

「視察内容はそんなところだ。真似しても意味はないが、参考にはなるだろう」

視察はクライフ米法人が手掛けるニューイヤーイベントだという。

ファミリー向けだが、ファイナンシャルプランナーの無料相談がある点は梨乃のプロジェクトと同じである。

だから同行させてくれるのかと納得した。

(公私混同なんじゃないかと少し疑ってた。失礼な見方をして申し訳ない)

「それでしたら同行者を増やしていただけないでしょうか。イベント開催時に実際に動くのは事業部の社員がメインになります。ですので事業部からもひとり加えていただきたいです」

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