俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
スッと目幅を狭めた彼を見て、酔いの回った頭でもマズイと焦った。
(宇津木さんの名前は出せない)
彼女に嫉妬される理由はあると自覚している。梨乃のせいではなくても後ろめたさと申し訳なさを感じているので、宇津木を守ろうとした。
「実害はないです」
「本当か? 部署の女性社員と言ったな。この前のミーティングでの計算ツールのこともある。宇津木がお前に嫌がらせしているんじゃないのか?」
「ち、違います」
「目が泳いでいるぞ。隠すな」
「いえ、あの、ちょっと言葉に棘を感じる程度ですので。本当に嫌がらせはないので注意はやめてください。さらに関係が悪化すれば私も働きにくくなってしまいます」
ハラハラしていると店員がワインボトルを手に入ってきた。
これ以上飲むともっと失礼な発言をしてしまいそうなのに、話題を逸らしたくて空のグラスを店員の方へ押し出した。
「美味しいワインですね」
「お気に召していただけて光栄です」
「名前と産地、もう一度教えていただけますか?」
「もちろんです。こちらはブルゴーニュの銘醸地、ヴォーヌロマネの――」
視界の端に映る黒見を気にしているので、二度目の説明も右から左に耳を抜けていく。
ふたり分のグラスにお代わりを注いで店員が退出すると、黒見が金目鯛にナイフを入れながら言う。
「困るようならすぐに言え。隠すなよ」
「わかりました……」
(宇津木さんの名前は出せない)
彼女に嫉妬される理由はあると自覚している。梨乃のせいではなくても後ろめたさと申し訳なさを感じているので、宇津木を守ろうとした。
「実害はないです」
「本当か? 部署の女性社員と言ったな。この前のミーティングでの計算ツールのこともある。宇津木がお前に嫌がらせしているんじゃないのか?」
「ち、違います」
「目が泳いでいるぞ。隠すな」
「いえ、あの、ちょっと言葉に棘を感じる程度ですので。本当に嫌がらせはないので注意はやめてください。さらに関係が悪化すれば私も働きにくくなってしまいます」
ハラハラしていると店員がワインボトルを手に入ってきた。
これ以上飲むともっと失礼な発言をしてしまいそうなのに、話題を逸らしたくて空のグラスを店員の方へ押し出した。
「美味しいワインですね」
「お気に召していただけて光栄です」
「名前と産地、もう一度教えていただけますか?」
「もちろんです。こちらはブルゴーニュの銘醸地、ヴォーヌロマネの――」
視界の端に映る黒見を気にしているので、二度目の説明も右から左に耳を抜けていく。
ふたり分のグラスにお代わりを注いで店員が退出すると、黒見が金目鯛にナイフを入れながら言う。
「困るようならすぐに言え。隠すなよ」
「わかりました……」