死の投票

『ペナルティ発動』

部屋の中の電気が一斉に消え、完全な闇が広がった。

背後から低いうなり声のようなものが響き、彼女は振り返ることもできなかった。

「いやああああ!」

叫び声は廊下まで響き渡ったが、誰も入ることはできなかった。

翌朝、教室には美咲の姿はなかった。

残されたのは、彼女の席とスマホだけだった。

スマホの画面には冷たく光る文字が浮かんでいた。

『脱落者:村上美咲
残り31名』

教室に再び恐怖の静寂が降りた。

『第2回投票開始まで、あと1時間。』

教室の全員が息を呑み、24時間の“静寂”は終わりを告げようとしていた――。
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