死の投票
翌朝、教室は普段とは違う重苦しい空気に包まれていた。


村上美咲の席は空っぽで、その隣の席に座る柴田真央は声を震わせていた。


「美咲が……本当にいなくなったなんて信じられない。」


「これはもう、ただのゲームじゃない。命がかかってるんだ」斉藤陽介が冷静に言った。


一方で、佐藤大輔は拳を握りしめていた。


「こんな状況で、どうやって投票なんてできるんだよ……」


綾は周りを見渡し、決意を固める。


「私たち、ただ黙って犠牲になるしかないの?」


「いや、何か方法を探す。絶対に。」


その時、教室のスマホが一斉に震え、新たなメッセージが表示された。


『第2回投票開始まで、残り1時間。準備をしてください。』


時間は刻々と迫っていた。


クラス全員の視線がスマホの画面に釘付けになる。


「誰が狙われるか、もう分からない……」


「でも、投票しなきゃ……」


24時間に一度の“死の投票”が、再び始まろうとしていた。


教室のドアが再び軋み、悪夢は終わらない。
< 16 / 17 >

この作品をシェア

pagetop