君と青空
家に着いて、花凪は猛スピードで2階に行き、スクールメイクを始めてしまうから私はクロの足を拭く。
お母さんはいつものことだが、雑巾掛けをしている。
スピリチュアル系の自分は特別な存在だと信じ込んでいる馬鹿みたいな宗教にのめり込んでいる。
お母さんの足が余計悪くなってるの、余計心が切羽詰まってるの、余計お金が無くなってるの、そのせいだとしか思えないんだけどな。
…こんなこと言ったってお母さんは聞く耳を持たないから。
そんなことを思いながら階段を上がる。
私は、花凪のように“可愛くなりたい”願望はもう消え失せた。
顔の気色の悪い脂を取ってから、顔より少し長いくらいの触覚を残し、綺麗にポニーテールをつくる、…ものの上手くつくれない。不器用だから。
ゴムを取ってもう一度やろうとする。
ふと鏡を見ると、鏡には茶色っぽい髪のセミロングの“醜い”少女が写っていた。
激しい気持ち悪さと吐き気が私を襲う。
私は髪だけを見るようにしてもう一度やる。
…前髪、癖出てきてるな、縮毛矯正またかけないと…。
『縮毛矯正かけても見れたもんじゃないけどな。まあ、かける前はひっどいたらありゃしないし。』
『縮毛矯正さ、2万するんだよ。金食い虫金食い虫。お母さんを困らせるな。無能が。』
何処からか語りかけてくる。
私はヘアアイロンを出して触覚と目より少し上の少し薄めの前髪を整える。
今日は学校で癖出てきませんように、そう願いながら。
学校で恥をかいて身体が熱くなって汗をかいたりすると前髪を整えても癖が出てきてとても見れたものじゃなくなる。
…まあ、もともと見れたものじゃないけれど。