30歳、年下わんこに愛されています
気づけば、時計の針が日付の境界を指そうとしていた。
ふと静かになった部屋に、グラスの中の氷が小さく音を立てる。
「……あーあ」
無意識に声が漏れた。
「誕生日、終わっちゃうな」
光が驚いたように顔を上げる。
「え、今日?」
「うん。今日、大好きだった人と別れたの。7年も想ってた人」
笑おうとしたけれど、うまくできなかった。
「気づいたら三十になってたよ。人生で一番悲しい日に、光くんに出会えて、少し救われた。ありがとう」
静寂の中で、光はしばらく何も言わなかった。
ただ、グラスを置き、私の方をまっすぐ見た。
「……じゃあ、俺にも、言わせてください」
少し息を整えるようにして、光はゆっくり続けた。
「その7年間があったから、今の遠藤さんがいる。だから――その全部を否定しないでください。今日まで頑張ってきた自分を、ちゃんと褒めてあげて」
その言葉が、静かに胸の奥に落ちた。
涙がまたこぼれる。
光はそっと私の頬に触れ、親指で涙を拭った。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
ふと静かになった部屋に、グラスの中の氷が小さく音を立てる。
「……あーあ」
無意識に声が漏れた。
「誕生日、終わっちゃうな」
光が驚いたように顔を上げる。
「え、今日?」
「うん。今日、大好きだった人と別れたの。7年も想ってた人」
笑おうとしたけれど、うまくできなかった。
「気づいたら三十になってたよ。人生で一番悲しい日に、光くんに出会えて、少し救われた。ありがとう」
静寂の中で、光はしばらく何も言わなかった。
ただ、グラスを置き、私の方をまっすぐ見た。
「……じゃあ、俺にも、言わせてください」
少し息を整えるようにして、光はゆっくり続けた。
「その7年間があったから、今の遠藤さんがいる。だから――その全部を否定しないでください。今日まで頑張ってきた自分を、ちゃんと褒めてあげて」
その言葉が、静かに胸の奥に落ちた。
涙がまたこぼれる。
光はそっと私の頬に触れ、親指で涙を拭った。
「生まれてきてくれて、ありがとう」