社内では秘密ですけど、旦那様の溺愛が止まりません!
翌日、今日も亮くんより遅れて家を出た。
「おはようございます」
社内で挨拶を交わしあう声が聞こえる。私は自席につくとパソコンを立ち上げた。ちらりと袖口から見えるスマートウォッチのベルトを見てつい顔が緩む。
昼休みになり、休憩スペースで私はスマホを見ながらメールのチェックをしていた。すると、
「あれ、渡辺さんのそのベルトかわいいね。いつもそれだった?」
目ざとく神谷くんが話かけてきた。
「え、あ……ありがとう。昨日友達がプレゼントしてくれて」
(まずい。こんなに早く気付かれるなんて。亮くんとお揃いだからみんなに気付かれたくなかったのに)
「へぇ、いい色だね。なんか浅賀のと似てる気がするけど、気のせいかな?」
「え?! そ、そうかな。最近流行ってるのかな」
どうして神谷くんは亮くんのベルトまで見てるのよ、と焦ってしまう。
同じ休憩スペースにいた亮くんは私たちの会話が聞こえていたはずなのに無反応。
「浅賀もこのタイプ使ってるよね?」
その言葉に亮くんはちらりとこちらを見る。そしてなんとも思っていなさそうに無表情のまま、
「あぁ、このタイプは使いやすいから」
それだけ答えるとまた私たちの会話から離れていく。神谷くんは亮くんの話を聞いて納得しただろうか。それにしてもせっかくのお揃いだったのに、と悲しくなる。亮くんに申し訳ないことしちゃったと反省する。
神谷くんが離れたと同時に亮くんからメッセージが届いた。
【気にすんな】
その短いメッセージに思わず目元が熱くなった。
【ごめん】
私もそうとだけ返した。
「おはようございます」
社内で挨拶を交わしあう声が聞こえる。私は自席につくとパソコンを立ち上げた。ちらりと袖口から見えるスマートウォッチのベルトを見てつい顔が緩む。
昼休みになり、休憩スペースで私はスマホを見ながらメールのチェックをしていた。すると、
「あれ、渡辺さんのそのベルトかわいいね。いつもそれだった?」
目ざとく神谷くんが話かけてきた。
「え、あ……ありがとう。昨日友達がプレゼントしてくれて」
(まずい。こんなに早く気付かれるなんて。亮くんとお揃いだからみんなに気付かれたくなかったのに)
「へぇ、いい色だね。なんか浅賀のと似てる気がするけど、気のせいかな?」
「え?! そ、そうかな。最近流行ってるのかな」
どうして神谷くんは亮くんのベルトまで見てるのよ、と焦ってしまう。
同じ休憩スペースにいた亮くんは私たちの会話が聞こえていたはずなのに無反応。
「浅賀もこのタイプ使ってるよね?」
その言葉に亮くんはちらりとこちらを見る。そしてなんとも思っていなさそうに無表情のまま、
「あぁ、このタイプは使いやすいから」
それだけ答えるとまた私たちの会話から離れていく。神谷くんは亮くんの話を聞いて納得しただろうか。それにしてもせっかくのお揃いだったのに、と悲しくなる。亮くんに申し訳ないことしちゃったと反省する。
神谷くんが離れたと同時に亮くんからメッセージが届いた。
【気にすんな】
その短いメッセージに思わず目元が熱くなった。
【ごめん】
私もそうとだけ返した。