社内では秘密ですけど、旦那様の溺愛が止まりません!
午後の会議でホワイトボードに立つ亮くんの腕が見える。スーツの袖口からちらりと見えるグレージュのベルト。
神谷くんがそれを見ている気がしてならない。私は自分のベルトが見えないよう袖をしっかり下ろしていたが、私の心配をよそに亮くんは特に隠すわけでもなく堂々としていた。
そのほうがいいに決まっている。それはわかっていてもさっき神谷くんに指摘され動揺が隠せない。
本当にこんなんであと何年も隠し通せるのだろうかと不安になる。
夜、帰宅すると亮くんはまだ帰っていなかった。
開発部にいる彼は時としてかなり遅くなることも多い。私がサーモンのムニエルとコールスローサラダ、けんちん汁を作り終わる頃にようやく帰宅した。
「ただいま」
玄関から声が聞こえ、私は迎えに飛び出して行く。
「おかえり!」
思わず抱きつくと、彼もしっかり抱き止めてくれる。
「これ、友達からもらったんだってな〜」
私の顔を見ずに耳元で言われる。
「だって……。自分で買って、たまたま同じ日から色違いのものを使い始めるなんて偶然ある? と瞬時に思って」
「ま、そうだけどさ。でもなんか俺ちょっとだけショックだった」
抱き止められていたてを緩められると顔を見つめられる。
「せっかくお揃いにして嬉しかったのに、“友達から“って言われてなんだか寂しかった」
その言葉にぎゅっと胸が苦しくなる。
神谷くんがそれを見ている気がしてならない。私は自分のベルトが見えないよう袖をしっかり下ろしていたが、私の心配をよそに亮くんは特に隠すわけでもなく堂々としていた。
そのほうがいいに決まっている。それはわかっていてもさっき神谷くんに指摘され動揺が隠せない。
本当にこんなんであと何年も隠し通せるのだろうかと不安になる。
夜、帰宅すると亮くんはまだ帰っていなかった。
開発部にいる彼は時としてかなり遅くなることも多い。私がサーモンのムニエルとコールスローサラダ、けんちん汁を作り終わる頃にようやく帰宅した。
「ただいま」
玄関から声が聞こえ、私は迎えに飛び出して行く。
「おかえり!」
思わず抱きつくと、彼もしっかり抱き止めてくれる。
「これ、友達からもらったんだってな〜」
私の顔を見ずに耳元で言われる。
「だって……。自分で買って、たまたま同じ日から色違いのものを使い始めるなんて偶然ある? と瞬時に思って」
「ま、そうだけどさ。でもなんか俺ちょっとだけショックだった」
抱き止められていたてを緩められると顔を見つめられる。
「せっかくお揃いにして嬉しかったのに、“友達から“って言われてなんだか寂しかった」
その言葉にぎゅっと胸が苦しくなる。