王子は完璧少女に甘すぎる
そうアナウンスされ、私、鷲、羅翔が準備した。

「位置について、よーいドン!」

トップバッターの鷲が信じられないスピードで走り出した。

でも、いつもの“無”って感じの涼しい顔で、ちょっと怖いくらい・・・・・・。

鷲が5周目で、次の羅翔がバトンを受け取った。

うわ・・・・・・。

かっこ、い、い・・・・・・。

羅翔の動作1つ1つがかっこいい・・・・・・。

さっきまで聞こえていたみんなの声援や実況が一気に聞こえなくなった。

ただ、私の中心には羅翔だけがいた。

「羅翔5周目だよ、莉緒」

凛空に小さく声かけられ、はっとした。

そ、そうだった・・・・・・。

私はスタートラインに立った。

「走れ」

羅翔の落ち着いた、でも芯のある声を合図に私は走り出した。

左手に金属の堅い感触があり、それをしっかり握った。

そして、私が5周目に入ったとき。

「B組が追い上げてきた・・・・・・」

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