セレナーデ
結局くたくたになり、ベッドの上で近所の中華料理を貪った。
「今、何の仕事してんの? CM? ドラマ?」
「映画」
「いつ公開?」
「いつだっけ……」
私の髪の毛を梳かしていた一望は、こちらを覗き込む。
「作曲も大変だ」
「そうかな、他人と音を合わせる方が大変に思う」
「ゼロからイチを作るってなかなか出来ることじゃないよ」
君の才能が羨ましい。
いつもわたしが思っていることを言われる。
「一望は、優しいね」
杏仁豆腐の甘さが沁みる。
ぎゅーっと後ろから肋骨が折れそうなくらいの力で抱きしめられる。