セレナーデ

楽器演奏者の指はとても繊細で、爪の先まで整えられている。その薬指にも同じ指輪は嵌められていた。

「今日、夕飯作るよ。朔子が好きなやつ」
「どうもありがとう」
「あとさ、今度同伴者オッケーのパーティーあるんだけど」
「行かない」
「偶には」
「絶対行かない」
「えー」

唇を尖らせる。一度行って散々な目にあったので、絶対に行かないと決めていた。

一望もわたしが絶対に嫌なことは無理強いしてこないので、特に言及せずその話は終わった。


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