セレナーデ
自分の歩いてきた道を証明するのは、今の自分しかいないのに。
「でも、それをいざ他人から言われると、なんか違って」
「きみ、才能あるねって?」
「そう。わたしのは才能じゃなくて努力なんだって、反論したくなっちゃった」
一望が手を止めた。わたしは近くの椅子を持って、その正面に座る。
「睡眠時間も惜しんで音楽に費やしてきた。それを一言、才能って一括りにされると悔しかった」
それが本音だ。
軽んじられている気がした。
だから。
「仕方ない、他人は表面しか見られない」
穏やかに返される。