セレナーデ
その諦めを手に入れるまで、一望は何度そういうことを言われたのだろう。
そして、わたしも同じことを考えていたと言ったら、嘲笑されるのだろうか。
家柄や環境、才能は勿論ある。
でもそれを上回る、血の滲む練習、練習、練習。
それを見て、ただの才能だなんて。
わたしも表層的にしか見てない。
「一望は悔しくない?」
「悔しいね、そういう時は」
「楽器を弾くの?」
「音楽で黙らせる」
笑っている。にこにこと。
怖い。
でも、私はこの人が居たから生きてこられた。
そして、これからも強くいられる。