セレナーデ
良い香りがする。
ばっと飛び起きるように目を醒ました。
「あれ、やばい遅刻、何時だっけ」
口からぽろぽろと思っていることが零れる。
リビングの時計が11時を示しており、ひやりと背中が震えた。
寝ていた場所がソファーであることに気付いて、転がるように落ちて立ち上がる。テーブルの上のゴミが無くなっていた。
「え、夢?」
「あ、おはよー。朔子」
どこから現れたのか分からない一望がアップライトの椅子を持ってきて、挨拶をした。
「それからただいま」
夢?
わたしだけが夢から醒めないまま、その椅子が時計の下へ置かれた。