敏腕エリート部長は3年越しの恋慕を滾らせる
 部長は三日前から海外出張中で、時差があるため、メールでしかやり取りしていない。
 以前に、小平さんは幼なじみで親友で同期だと教わっていたから、小平さんからの伝言に疑いはないけれど。
 
 ふと、彼との生活を思い出した。

 居候の身の美絃は、せめて掃除洗濯料理くらいはしないと、と気合を入れて朝五時半前に起床したのだが、なんと、千尋は五時前に起きて、一っ走りジョギングをして来たというではないか。
 大手スポーツメーカーの社員が、体型の自己管理もできていないと示しがつかないといい、毎朝十㎞ほど走り込んでいるという。
 だから、女性社員の視線を釘付けにする、肉体美なのだろう。

 朝は珈琲だけのイメージがあったが、洋食ではあるが、しっかりとバランスの取れた食事をとっている。
 しかも、用意する手際がいい。
 あっという間に美絃の分も用意してくれて、『足りなかったら、おかわりあるぞ』だなんて、甘やかす。

 掃除と洗濯は日中にハウスキーパーさんがしてくれて、食材の調達も殆どネット注文で済ませているらしく、美絃の出番が全くないのだ。


 一通りの出来事を脳内回想し終えた美絃は、『今何時?』と思わず腕時計で時間を確認した。

(やだっ、もう十一時半じゃない!)
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