野いちご源氏物語 四三 紅梅(こうばい)
でももう源氏(げんじ)(きみ)はいらっしゃらない。
<この気持ちを(まぎ)らわせることのできる人がいるとすれば、それはやはり匂宮(におうのみや)様だろう>
匂宮様にお手紙をお書きになる。
「よい梅の咲く庭には、まず(うぐいす)が訪れるべきでございます。他の鳥ではふさわしくありません。それと同じように、よい娘のいる家にはあなた様がお訪ねになるべきでございましょう」
赤い紙に華やかに書くと、若君(わかぎみ)に預けて、すぐに参内(さんだい)するようおっしゃる。
若君も早く匂宮様にお会いしたくて、急いで乗り物に乗った。
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