この恋を実らせるために

「お疲れさまです! 皆さんと一緒に飲みに行けるなんて嬉しくて早く来ちゃいました。そうしたら、三枝さんもすぐに来てくれておしゃべりしてたんです。うふっ」

木藤さんはわざと私に向けて見せつけるようなことをしている気がした。

「じゃあ、行きましょう」と声を上げた林さんが私の横にきて「ほら、堀田さんも行きますよ」と私の背中に手を当て歩き出す。

三枝さんは橘さんと話しながら歩いているが、横にべったりと木藤さんが張り付いていた。

木藤さんは三枝さんのことが好きなのかしら……。
心のモヤモヤは先ほどよりもひどくなっている。

三枝さんがモテるのは知っている。だって、王子なんだから。でも、目の前で他の女の子と仲良くしてるところを見るのはなんだか胸が苦しい。

今回橘さんが連れて行ってくれたお店は上品な居酒屋さんだった。名前を言うと奥の個室に案内される。

「僕が入口側に座るので、堀田さんは隣に座ってください。さあ、どうぞ」

「あ、はい」

隣は橘さんで三枝さんとは向かいになる。そして、三枝さんの隣にはずっと木藤さんがいる。

嫌だな。目の前でこの光景を見るのは辛い。

「まずはビールでいいですか? 食べ物も注文しましょうよ」と林さんはどんどん進めていく。

ビールと食事が運ばれて林さんが「乾杯しましょう」と会を進行させていた。

かわいい後輩は仕事でも飲み会でも気が回る人だった。
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