幼なじみは狐の子。5〜親衛隊と恋〜
公園の桜は枝をたわめてピンクや白にあでやかに咲き誇って居り、今が満開だった。
恋達が公園に行くと新聞部の先輩達と律が先に着いて広いシートを引いて場所取りをしていた。
「恋!」
「あ、来たわね」
恋たちの姿を見つけて律と伊鞠が言った。
「加納先輩に石巻先輩。駒井、新聞部の先輩達を呼ぶのはどうかと思う。毎回先輩達がさりげなく僕らに加わってる。なんでなんだ。向井はメールで呼んだのか。」
「……お花見」
「今日は人数分コンビニでおにぎりとお茶を買って来たのよ。スーパーでオードブルも見つけてきたわ。」
伊鞠がお花見用の食べ物の入った大きなビニール袋を差し出しながら言った。
「黒白王子のブロマイドが大売れだからお金使えるの。全部部費で落とすわよ。他に欲しいものがあったらなんでも言って頂戴。」
「……最低。」
「僕たちの写真で、そんな事していいと思ってるんですか。」
「わあ、それ部費になっちゃうんですね。」
笑った理央が靴を脱いでシートにあがり、続いて恋と宗介と美風もあがった。