幼なじみは狐の子。5〜親衛隊と恋〜






 


 親衛隊員が恋を連れて行った先は体育館裏だった。

 すぐ近くにこの間の体育館倉庫がある。

 日陰になって薄暗く乾いた体育館裏に入りながら、恋はごくりと唾を飲んだ。

 恋は親衛隊の群れを想像していたが、待っていたのは意外な事にうらら1人だった。

 うららは複雑な顔で、恋が来ると恋を連れてきた親衛隊員に「ありがとう」と言った。

 親衛隊員が行ってしまってから、うららが口を開いた。

 
「新田恋」






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