幼なじみは狐の子。5〜親衛隊と恋〜





 料理教室の最初のメニューはクッキーで、次はケーキで、最後がティラミスだった。

 大きなテーブルに恋の隣に理央、その前に伊鞠と桂香。
 今日はクッキーの日なので、恋達は並んだテーブルについて先生の説明を聞いた。

 
「恋恋、私卵片手で割れるよ」

 
 説明が終わって実習の時間になってから、ボールを前に理央が言った。


「恋もやってみなよ。難しくないから」


 恋が理央を真似て片手で卵を割ると、ボールにカラが入ってしまった。


 クッキーのタネを作ると、さっきから写真を撮っていた伊鞠が、ボールのタネを少し摘んで口に入れた。

 
「甘いわ」

 
 伊鞠が言った。

 
「先輩、お腹壊しますよ。」

「焼く前焼く後でなにか違うのかしらね」

「当然!。今食べたら生卵ですよ。」

「新田さん、その調子です。チョコの砕き方もその通り。」


 先生がテーブルを回って来て恋を褒めた。
 
 桂香がチョコレートを砕いている恋の写真を撮った。



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