副業家政婦の仕事に『元彼社長からの溺愛』は含まれていないはずなのに
先ほどエントランスの自動ドアを開けてもらったとき、無言で扉が開いたから、声で相手の判別がつかなかった。それに、まさか訪問先が元彼の部屋だとは夢にも思わない。
そして、それは彼も同じだろう。誰が来たのかよく確かめずに開けて、今こうして対面し、初めて私の姿を見て驚いたに違いない。
(まさか、元彼の部屋に来ることになるなんて……)
ハァ、とため息を吐きながら、さてどうしたものかと閉じてしまった扉を見つめる。
このまま仕事がなくなれば、それはそれでお互いに気が楽だと思ったけれど、再び扉が開いて彼が顔を出した。
「……すみません。取り乱してしまいました。どうぞ、お入りください」
さっきとは打って変わって穏やかな笑みを浮かべた彼が、扉を開けて私を招き入れる。
このまま「チェンジで!」と言ってくれたら楽なのになぁ、と思いつつ、玄関で靴を揃えると、ひとまず中へ入ることにした。
「散らかっていて、申し訳ないですが……」
「いえ、お掃除もサービスのうちに含まれますから」
散らかっていると本人は言うものの、今まで私が仕事で訪れたどの部屋よりも綺麗に片付いている。
というより部屋が広すぎて、多少の散らかり具合も気にならないと言った方が正しいだろうか。
黒を基調としたスタイリッシュな部屋は、彼らしいと思えた。
そして、それは彼も同じだろう。誰が来たのかよく確かめずに開けて、今こうして対面し、初めて私の姿を見て驚いたに違いない。
(まさか、元彼の部屋に来ることになるなんて……)
ハァ、とため息を吐きながら、さてどうしたものかと閉じてしまった扉を見つめる。
このまま仕事がなくなれば、それはそれでお互いに気が楽だと思ったけれど、再び扉が開いて彼が顔を出した。
「……すみません。取り乱してしまいました。どうぞ、お入りください」
さっきとは打って変わって穏やかな笑みを浮かべた彼が、扉を開けて私を招き入れる。
このまま「チェンジで!」と言ってくれたら楽なのになぁ、と思いつつ、玄関で靴を揃えると、ひとまず中へ入ることにした。
「散らかっていて、申し訳ないですが……」
「いえ、お掃除もサービスのうちに含まれますから」
散らかっていると本人は言うものの、今まで私が仕事で訪れたどの部屋よりも綺麗に片付いている。
というより部屋が広すぎて、多少の散らかり具合も気にならないと言った方が正しいだろうか。
黒を基調としたスタイリッシュな部屋は、彼らしいと思えた。