副業家政婦の仕事に『元彼社長からの溺愛』は含まれていないはずなのに
「どうぞ、お掛けください」
「失礼します」

 ソファーに座るよう促され、三人掛けのソファーの端っこにちょこんと座り、肩に抱えていた大きな鞄の中からタブレットを取り出す。
 早速、私は依頼内容の確認から進めることにした。

「それでは、本日のご依頼内容について確認ですが……」

 事前にアプリで記入してもらった情報によると、彼からの依頼は部屋の掃除と食事の準備だった。
 特に仕事が忙しく、食事がおろそかになっているため、食事作りに注力してほしいと書かれている。
 既に食材は準備済みとなっており、冷蔵庫の中から自由に食材を選んで料理をしてほしいと書かれていた。

「既に頂いている内容では掃除と料理にチェックがついていますが、それ以外に気になることはございますか?」
「いえ、特にはないです」
「わかりました。ご依頼いただいている時間は二時間ですが、問題なくお掃除まで対応できると思います。作り置きまでを含むとなると、お料理だけになってしまうかもしれませんが……」

 そう言いつつ、ちらりと彼の表情を伺う。
< 3 / 60 >

この作品をシェア

pagetop