代理お見合いに出席したら、運命の恋が始まりました~社長令息は初心な彼女を溺愛したい~
 褒められるので、七海は驚いた。

 続いて照れてしまった。

 まだ数時間も一緒に過ごしていないのに、こう言ってもらえるのは光栄だ。

 しかも自分からも「優しい方」と好印象を持った八尋からの言葉だ。

 シンプルに嬉しい。

 そうまで言ってもらえて、結局、七海は気持ちを決めた。

「わかりました。ですが、両親の許可を取ってからでもよろしいですか?」

 一応、予防線を張った回答をする。

 実際、おじとおばに聞いてみなければわからない。

『代役が露見したら困るから』などの理由でストップをかけられるかもしれないからだ。

「もちろんです。検討していただけたら大変助かります!」

 七海の返事を聞いて、八尋は頬を緩ませた。

 安心した、という顔になる。

 どうやら七海の演じる代役は、今日では終わらなさそうである。
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