代理お見合いに出席したら、運命の恋が始まりました~社長令息は初心な彼女を溺愛したい~
 メニューを軽く見た二人は、それぞれノンアルコールシャンパンとジンジャーエールを注文した。

 数分待っただけで、スタッフによりドリンクが用意される。

 もうすぐ開始時間なので、二人はそのまま待った。

 やがてアナウンスがあり、部屋の明かりが落とされる。

 壇上で、八尋の会社の取引先だという社長の男性が話を始めた。

 ホールの人々は静かに聞く。

 そして社長の音頭で乾杯となった。

「一華さん、乾杯。本日はありがとうございます」

 グラスをそっと差し出して言ってくれる八尋に、七海は少し照れつつ、自分もグラスを差し出した。

「私こそ。お招きありがとうございます」

 ふたつのグラスが軽く触れ合う。

 一口飲んだジンジャーエールは甘口で、口の中でパチパチと快く弾けた。

 ドキドキしつつも、楽しい時間になる予感を連れてくる味わいだった。
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