代理お見合いに出席したら、運命の恋が始まりました~社長令息は初心な彼女を溺愛したい~
「ありがとうございます。これほど褒めていただいて、勿体ないですが、とても嬉しいです」

 七海の頬に、自然と笑みが浮かんでいた。

 言葉のままに、素直な喜びの感情が溢れる。

 七海の反応を見て、玖苑の表情も緩んだ。

 こう受け止めてもらえてほっとした、という顔になった。

 でもそれだけでは終わらなかった。

 その場の空気は、話を始めたときのものに戻っていく。

 すなわち、真剣ながらも、どこか甘い空気だ。

「ですから『お互い代理のお見合い』なんて、なかなかないシチュエーションでまた巡り合えたのを、運命のように感じたんです」

 その中ではっきりと言われた。

 七海の心臓は、喉奥まで跳ね上がる。

 そのままどくどくと速い鼓動を刻み始めた。

 この言葉の意味がわからないわけはない。
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