代理お見合いに出席したら、運命の恋が始まりました~社長令息は初心な彼女を溺愛したい~
 そしてそんな甘いことを言われるものだから、今度こそ七海の頬は燃えた。

 これほどストレートに愛情を伝えられたら、真っ赤になっても仕方がない。

 そんな七海の肩に触れて、一歩踏み出して……玖苑の力強い腕が、七海の体をくるんだ。

 七海は熱すぎる顔と体のせいで、ちょっとくらくらしてしまうほどだった。

 香水なのか、整髪剤なのか、ほんのり甘い香りまで感じられる。

 玖苑の身長は、一般的な成人男性より少し高めで、小柄な七海は全身をすっぽりと包まれる形になった。

 全身で彼の存在とぬくもりを感じられて、七海のドキドキする気持ちも、酔ったかのようにくらくらするのも、強まるばかりだ。

「これからずっと、俺だけでいてもらいます。覚悟していてください」

 七海を両腕でしっかり抱き込み、玖苑は宣言するように言った。

(覚悟……? これは……だいぶ大胆な気がする……!)

 もはや頭から煙でも出そうなほどになりつつ、七海は幸せゆえの混乱をたっぷり味わうことになった。
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