代理お見合いに出席したら、運命の恋が始まりました~社長令息は初心な彼女を溺愛したい~

ふわふわ夢心地

 翌日、七海はまだ夢心地のまま、仕事に出た。

 昨日の出来事がまだ信じられなかったのだ。

 それでも普段着ているオフィスカジュアルの格好で、自分のデスクに着いたら、さすがに仕事モードに気持ちは変わった。

 有休をもらったことへのお礼も、各所へ伝えた。

 午前中の仕事も滞りなく進んだ。

 でも休憩時間になれば、またすぐに頭に浮かんでしまった。

 昼休みは職場の食堂で、同僚と一緒にランチを食べることが多いのだけど、今日は落ち着いていなさ過ぎて、一人で過ごしたかった。

 よって近くのカフェで、ドリンクとサンドイッチなどをテイクアウトして、中庭のベンチにやってきた。

 ベンチに腰掛け、まず熱々のカフェラテを一口飲む。

 コーヒー豆の薫り高い味と、優しい甘さが口の中に快く広がった。

 ほぅ、と小さく息も出る。

 お気に入りのドリンクを口にしたことで、少し気持ちも落ち着く気がした。

(とりあえず、まずはお昼を食べておかないと)

 夢見心地を引きずっているとはいえ、腹ごしらえは大事だ。
< 47 / 68 >

この作品をシェア

pagetop