代理お見合いに出席したら、運命の恋が始まりました~社長令息は初心な彼女を溺愛したい~
 でもメッセージを送ってきた相手は違っていた。

『七海ちゃん、昨日はありがと! 上手くいったかな?』

 一華であった。

 そこで七海はやっと思い当たる。

 昨日の報告をするのを、すっかり忘れていたのだ。

 本当に自分が現在、色々な意味で余裕がないのを思い知らされて、頭を抱えたくなってしまう。

『報告が遅くなってごめんね。上手くい』

 しかしそこまで打ち込んで、七海は手が止まってしまった。

(『上手くいった』なんて! 無事、会うのが終わったって意味なのに! 『玖苑さんと恋人同士になったことが』じゃないのに! まるでそういう意味みたいじゃない!?)

 もはや頭から煙まで出そうになってしまう。

 それでも言わないわけにはいかない。

 七海は一人でいるというのに、内心大騒ぎをしながら、一華にメッセージを打った。

 とりあえず今は『任務を遂行できた』ということに留めておく。
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