代理お見合いに出席したら、運命の恋が始まりました~社長令息は初心な彼女を溺愛したい~

夕方のデート

 しかし七海はその日の仕事上がり、さらに緊張して会社の最寄り駅の駅前に立っていた。

 玖苑からメッセージがあったのだ。

『帰りにちょっとだけ会えないかな?』

 そのメッセージを見ただけでも心臓が胸から出そうになったのだが、七海はもちろん了承する返事をした。

 それで今、こうして迎えを待っている。

(普段のオフィスカジュアルだけど、いいのかな!? 思い切りオシャレをして会う予定だったのに……!)

 朝、何気なくこの服を選んでしまったことまで後悔したが、会えること自体は嬉しい。

 会いたいと言われたことは、もっと嬉しい。

 大きな緊張を抱えつつ、五分ほど待っていただけで、乗降場に黒い車が滑り込んできた。

 スリムなシルエットの海外製の車だ。

 すぐに玖苑のものではないかと思った七海だったが、その通り、運転席から出てきたのは玖苑だった。
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