代理お見合いに出席したら、運命の恋が始まりました~社長令息は初心な彼女を溺愛したい~
 玖苑が連れてきてくれたのは、カフェだった。

 白を基調とした内装の洗練された雰囲気のカフェは、オープンテラスがあり、そこで過ごすことにした。

 春の終わりの夕方は、気候もちょうど良い。

 籐で編まれた肘掛け椅子に座った七海は、ジャケットを脱いで、椅子の背に掛けておいた。

「なににしようか? ここのカフェは、シュークリームが美味しいんだ」

 玖苑がメニュー表を七海に向けて、開いてくれる。

 七海はドキドキしつつ、中を読んだ。

「玖苑さんは、甘いものが好きなの?」

 アイスティーと、玖苑おすすめのシュークリームに決めて、玖苑がオーダーしてくれた。

 待つ間、七海は軽い気持ちで質問してみた。

 玖苑はお冷のグラスを手にしつつ、頷く。

「ああ、割とね。それでカフェを探すのも好きなんだ」

「そうなんだ! じゃあ、次は私のおすすめのところに行かない?」

 話を広げてもらえて、嬉しくなった七海は、ついそんな提案をしていた。
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