代理お見合いに出席したら、運命の恋が始まりました~社長令息は初心な彼女を溺愛したい~
 今度のものこそ『自然体』で、玖苑はどうもそれに嬉しくなったようだ。

 優しく頬を緩める。

 とても愛おしそうな表情で、七海が話すのを聞いてくれた。

 話が楽しく進んでいるうちに、注文品が運ばれてくる。

 紙にくるまれたシュークリームは、皮がふんわりとしていて、見るからにクリームがたっぷり詰まっていそうだ。

(気を付けないとね)

 まさかデートのときに、中身を零してしまうわけにはいかない。

 そんなこと、格好悪すぎる。

「美味しそう! いただきます」

 よって気を引き締めて、七海は控えめに、かぷっとかぶりついた。

 中のクリームは、生クリームとカスタードクリームが半々だ。

 とろっとしたクリームは、無事零れずに味わうことができた。

「ん……! 優しい甘さで美味しい……!」

 もぐもぐと味わって、七海は感動してしまった。

 つい頬を押さえてしまったくらいだ。
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