訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
「要の台詞とは思えねぇな。お前、某アニメ映画みたいに中身誰かと入れ替わったとか言わねぇよな?」

「もう、信吾(しんご)ったらデリカシーないんだから! 要くんに奇跡的に好きな女の子ができたなんて喜ばしいことじゃない!」


クリスマスから数日。

新年を迎え、世の中はすっかり様変わりして今では正月のお祝いムード一色だ。

街には年末年始特有のゆるやかな空気が流れている。

実家に帰省したり、旅行に出掛けたり、初詣に行ったりする人々が多い中、俺は親友夫婦の自宅にて個人的な新年会を催していた。

親友夫婦とは長い付き合いになる。

夫である高遠(たかとう)信吾とは中学からの親友であるし、妻の(かえで)は高校の同級生だ。

2人は高校の時に出会って交際に発展し、そのまま23歳でゴールイン。

結婚生活7年になる今も非常に仲の良い、俺にとって憧れの夫婦である。

この2人を見ていると、お互いを大切に想い合う関係性が心底羨ましく、いくら上手くいかなかろうと、俺もいつかはと願って恋愛を諦めようとは思えなかった。

そんな学生時代からの友人である2人は、もちろん俺のあれこれをすべて知っている。

長年女性と親しくするのを避けてきたことも、彼女ができても長続きせずに振られることも。

俺の苦悩を近くで見てきて、自分事のようにずっと心配してくれている2人だ。

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