訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
あの変な男の人に遭遇している最中に、要さんらしからぬちょっと強引な手繋ぎに思わずドキッとさせられた。

しかもその後の指を絡めてくる感じがなんともエロくて。

 ……やっぱり極上イケメンのスキンシップは破壊力あるわ。

しみじみそう実感させられた次第だ。

この感じだと、そろそろ恋愛コンサルの終了も近いかもしれない。

当初に比べれば要さんはずいぶん女心を分かるようになってきてる。

あとは顔も、声も、体も良いという持ち前の武器を使ってもらえれば、もう2度と「なんか思ってたのと違う」と言われて要さんが振らることはないだろう。


「さて、今日のテーマ“お家デート”なんですけど、実はこれコンサルするのが結構難しいんですよ」

「難しい? どういうところが?」

要さんがキッチンでコーヒーを淹れてくれたのでそれを飲みつつ、リビングのソファーで横並びに座りながら私は話を切り出した。

「お家デートってなんでもアリなんです。自由度が高くって、過ごし方なんてそのカップルそれぞれですし。だから今日どうしたらいいかなぁって悩んでて」

「なるほど。ちなみに亜湖ちゃん個人としては何がしたいとかある?」

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