訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
「う~ん、定番は映画鑑賞とか、料理をするとか、ゲームをするとかなんですよね。でもさっきキッチンをチラッと見た限り、調理道具がなさそうでしたし、たぶんゲームもないだろうし……そうなると映画鑑賞が無難?」
「じゃあ映画鑑賞にしようか。動画配信サービスには契約してるし、観たいものも選べるよ」
そう言って要さんが立ち上がろうとした時、私は唐突にあることを閃いた。
「要さん、私、良いこと思い付きました……!」
咄嗟の思いつきだけど、考えれば考えるほどそっちの方が楽しそうな気がしてくる。
「えっ、急にどうしたの?」
「せっかく『花山粧先生』の自宅にお邪魔してるんで、ぜひ先生の仕事部屋を見学したいです!」
これぞまさにここでしかできない過ごし方である。
私の提案は否なく承諾され、私はさっそく仕事部屋へ案内してもらえることになった。
売れっ子小説家の仕事部屋を見れるなんて、なかなかない貴重な機会だ。
リビングから廊下を玄関側に歩いた突き当たりの部屋が書斎となっているそうで、扉を開けると、ダークブラウンで統一された全体的に落ち着きのある空間が目に飛び込んできた。
その中で一際存在感を放つのがデスクと本棚だ。
重厚感あるデスクの上にはパソコンや雑多に置かれた資料、備忘録のようなポストイットなどが見られ、つい先程まで執筆をしていたかのようなリアルな現場感が漂っている。
「じゃあ映画鑑賞にしようか。動画配信サービスには契約してるし、観たいものも選べるよ」
そう言って要さんが立ち上がろうとした時、私は唐突にあることを閃いた。
「要さん、私、良いこと思い付きました……!」
咄嗟の思いつきだけど、考えれば考えるほどそっちの方が楽しそうな気がしてくる。
「えっ、急にどうしたの?」
「せっかく『花山粧先生』の自宅にお邪魔してるんで、ぜひ先生の仕事部屋を見学したいです!」
これぞまさにここでしかできない過ごし方である。
私の提案は否なく承諾され、私はさっそく仕事部屋へ案内してもらえることになった。
売れっ子小説家の仕事部屋を見れるなんて、なかなかない貴重な機会だ。
リビングから廊下を玄関側に歩いた突き当たりの部屋が書斎となっているそうで、扉を開けると、ダークブラウンで統一された全体的に落ち着きのある空間が目に飛び込んできた。
その中で一際存在感を放つのがデスクと本棚だ。
重厚感あるデスクの上にはパソコンや雑多に置かれた資料、備忘録のようなポストイットなどが見られ、つい先程まで執筆をしていたかのようなリアルな現場感が漂っている。