訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
そろそろ考えて実行して欲しいと言われてしまえば、俺に拒否権はない。

しかも俺が亜湖ちゃんの望みをじっくり検討できるよう、一旦恋愛コンサルはストップすると言う。

つまりしばらくは今までのように会えなくなるということだ。

 ……それは喜ばしくないな。はっきり言って嫌だ。

亜湖ちゃんへの想いを自覚してからというものの、ふとした時に彼女に会いたくてたまらなくなる。

顔が見たいし、声が聞きたいし、一緒に時間を過ごしたいと強く思うようになった。

年末年始でしばらく会えなかった時も、ずいぶんと次を待ち遠しく思ったのは記憶に新しい。

その一方で、俺はこうも思った。

 ……でもこの亜湖ちゃんの申し出はちょうどいい機会かもしれない。

今日の自分の行動を鑑みれば、理性が保てなくなるのは時間の問題である気がする。

亜湖ちゃんに不用意に手を出してしまい嫌われるくらいならば、少し距離を置いて冷静になった方がいいかもしれない。

恋愛コンサルを始める時に決めた、手繋ぎ以上のスキンシップNGというルールは絶対に破るわけにはいかない。

そんなことをすれば、この関係は簡単に終わりを迎えてしまうだろう。

亜湖ちゃんと会うことすら叶わなくなる。

それでは元も子もないのだ。

結果、俺は亜湖ちゃんから告げられた恋愛コンサルの一時中断の申し出を受け入れたのだった。


◇◇◇


< 146 / 204 >

この作品をシェア

pagetop