訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
それを誤魔化すようにオレンジジュースを喉に流し込み、私は昨日今日で心底実感した事実を思わず吐露した。
……本当に、昨日から要さんには翻弄されっぱなし。ギャップありすぎだってば! 心臓に悪い!
恋愛コンサルをしていた時とは全然違う。
あの頃は、私がビシバシと指摘し、どちらかと言うと私のペースに要さんを巻き込んでいた。
なのに、本物の恋人になった途端、コロッと立ち位置が逆転した感が否めない。
恋人となった要さんは思いのほか積極的かつ甘々で。
私は昨日からひたすらタジタジしている。
「これだけ恋人に対して甘々なのに、なんで過去の彼女さん達に振られてたのか今になって不思議になってきました。たとえ普段は女心に疎くても、女性は喜ぶと思うんですけど……」
すると要さんは予想外のことを言われたとばかりに目を丸くする。
「俺が激甘? そんなこと初めて言われた」
「どう考えても、激甘以外のなにものでもないんですけど」
「もしそう感じるなら、それは相手が亜湖ちゃんだからだよ」
「? どういうことですか?」
「亜湖ちゃんに対しては言葉でハッキリ好意を伝えるようにしてるから」
「なんでですか?」
そう訊ねたのは単純に疑問だったからだ。
私としては普通の会話の延長で、深く考えずに問いかけた。
だが、これが完全に墓穴だった。
「知りたい?」
「えっ? まぁ、はい」
……本当に、昨日から要さんには翻弄されっぱなし。ギャップありすぎだってば! 心臓に悪い!
恋愛コンサルをしていた時とは全然違う。
あの頃は、私がビシバシと指摘し、どちらかと言うと私のペースに要さんを巻き込んでいた。
なのに、本物の恋人になった途端、コロッと立ち位置が逆転した感が否めない。
恋人となった要さんは思いのほか積極的かつ甘々で。
私は昨日からひたすらタジタジしている。
「これだけ恋人に対して甘々なのに、なんで過去の彼女さん達に振られてたのか今になって不思議になってきました。たとえ普段は女心に疎くても、女性は喜ぶと思うんですけど……」
すると要さんは予想外のことを言われたとばかりに目を丸くする。
「俺が激甘? そんなこと初めて言われた」
「どう考えても、激甘以外のなにものでもないんですけど」
「もしそう感じるなら、それは相手が亜湖ちゃんだからだよ」
「? どういうことですか?」
「亜湖ちゃんに対しては言葉でハッキリ好意を伝えるようにしてるから」
「なんでですか?」
そう訊ねたのは単純に疑問だったからだ。
私としては普通の会話の延長で、深く考えずに問いかけた。
だが、これが完全に墓穴だった。
「知りたい?」
「えっ? まぁ、はい」