訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
……覚悟はしてたけど、やっぱりお父様の顔に泥を塗ってしまったんだよね……。
こうした事態にならないよう幼少期から厳しく躾けられていた身としては申し訳なさが募る。
「その件ですが、私から少しよろしいですか」
すると、ここまで私の隣で静かに控えていた要さんが、突然発言の許可を父へ求めた。
父はチラリと要さんへ視線を向け、大物政治家らしい威厳を放ちながら目線だけで先を促す。
「改めまして葉山要と申します。この度は大切なお嬢様をお見合いの場から連れ出し、ご両親にはご心配をおかけして申し訳ありませんでした。ただ、1つご報告しておきたいことがあります」
「……ほぅ、報告とな。なんだね?」
「お見合い相手のことです。私があの場に駆け付けた時、彼は亜湖さんをホテルのスイートルームへ無理やり連れ込もうとしていました。彼は亜湖さんに対してここで口にするのが憚られるような侮辱的な言葉も投げ付けていましたし、私はそんな男の前から亜湖さんを連れ出せて良かったとすら思っています」
「なんだと!? 菅野の息子、亜湖にそんなことをしようとしたのか! 許せん!」
要さんの話に父は目を剥き、猛然と怒り出した。
よっぽど腹に据えかねたのか、憤りを発散するようにバシッと肘掛けを叩いている。
こうした事態にならないよう幼少期から厳しく躾けられていた身としては申し訳なさが募る。
「その件ですが、私から少しよろしいですか」
すると、ここまで私の隣で静かに控えていた要さんが、突然発言の許可を父へ求めた。
父はチラリと要さんへ視線を向け、大物政治家らしい威厳を放ちながら目線だけで先を促す。
「改めまして葉山要と申します。この度は大切なお嬢様をお見合いの場から連れ出し、ご両親にはご心配をおかけして申し訳ありませんでした。ただ、1つご報告しておきたいことがあります」
「……ほぅ、報告とな。なんだね?」
「お見合い相手のことです。私があの場に駆け付けた時、彼は亜湖さんをホテルのスイートルームへ無理やり連れ込もうとしていました。彼は亜湖さんに対してここで口にするのが憚られるような侮辱的な言葉も投げ付けていましたし、私はそんな男の前から亜湖さんを連れ出せて良かったとすら思っています」
「なんだと!? 菅野の息子、亜湖にそんなことをしようとしたのか! 許せん!」
要さんの話に父は目を剥き、猛然と怒り出した。
よっぽど腹に据えかねたのか、憤りを発散するようにバシッと肘掛けを叩いている。